すきっ歯の歯列矯正方法を徹底解説。治療期間・費用や放置するリスクも
執筆・監修 -
C&C堺東デンタルクリニック
院長津島 康司
院長の津島は、大学病院の口腔外科で9年間研鑽を積み、インプラント治療や親知らずの抜歯をはじめ、歯周病治療や矯正治療など、お口の中全体を包括的に診る「全顎的(ぜんがくてき)治療」に対応しております。日本口腔外科学会認定医の資格を有し、インビザライン認定ドクターとしてマウスピース矯正にも注力しております。患者様お一人お一人に適した治療計画を立案し、丁寧で質の高い歯科医療を提供しています。
歯の隙間が気になり、人前で笑顔を見せることに抵抗がある、食事がしにくいと感じていませんか?すきっ歯は見た目だけでなく、食べかすが溜まりやすいため虫歯や歯周病、発音が不明瞭になるなど、放置するとお口全体の健康に影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、すきっ歯になる主な原因から、放置した場合にどのようなリスクが生じるのかを解説します。さらに、ワイヤー矯正やマウスピース矯正をはじめとするさまざまな治療方法、それぞれの費用や期間についても詳しくご紹介します。
ご自身の状況や理想に合った治療法を見つけるヒントが得られ、健康で自信の持てる美しい歯並びを手に入れるための一歩を踏み出せるよう、ぜひ最後までお読みください。
すきっ歯になる原因

すきっ歯(専門的には「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼びます)は、歯や顎の骨のバランス、舌の癖、歯周病といったさまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。
見た目の問題だけでなく、お口全体の健康にも関わる場合があるため、原因を把握することが大切です。すきっ歯の主な原因は、次のとおりです。
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歯の大きさと顎の骨のバランスが悪い
歯が平均より小さい、または顎の骨が大きい場合、歯がきちんと並んでもスペースが余ってしまい、隙間が生まれやすくなります。これは遺伝的な要因で起こることもあります。
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過剰歯(かじょうし)が埋まっている
本来の歯の数よりも余分な歯(過剰歯)が歯ぐきの中に埋まっていると、周囲の歯を押し出してしまい、歯並びが乱れて隙間が生じる場合があります。
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舌癖(ぜつへき)がある
舌で前歯を無意識に押し出す癖(舌癖)があると、持続的な力が歯にかかり続けるため、少しずつ歯が動いて隙間が広がる可能性があります。
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低位舌(ていいぜつ)である
舌が正しい位置(上あごにぴったりと収まっている状態)よりも低い位置にある「低位舌」も、すきっ歯の原因になることがあります。低位舌の方は口呼吸になりやすく、舌が歯列を内側から支えられないため、歯並びが乱れて隙間が生じることが考えられます。
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子どもの頃の指しゃぶりの癖が長期間続いた
子どもの頃の指しゃぶりの癖が長期間続くと、歯に不適切な力がかかり、前歯が前に傾いたり、歯の間に隙間ができたりする場合があります。
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歯周病が進行している
歯を支える骨や歯ぐきの組織が破壊される歯周病が進行すると、歯がぐらつき、移動することで隙間が生まれることがあります。また、歯ぐきが下がると、歯の根元が見えて隙間のように見えることもあります。
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虫歯などで歯を失ったままにしている
虫歯や抜歯などで歯を失ったままにしておくと、残っている周囲の歯が空いたスペースに傾いたり移動したりして、歯並び全体が乱れて新たな隙間が生じる場合があります。
すきっ歯の原因は、一つだけでなく、これらの要因が複数組み合わさって現れることも少なくありません。
すきっ歯を放置すると
どうなる?

虫歯・歯周病のリスクが高まる
すきっ歯を放置すると、虫歯や歯周病にかかるリスクが高まります。歯と歯の間の隙間は、食べかすや歯垢(プラーク)が溜まりやすい場所です。これは、通常の歯ブラシだけでは隙間の汚れを完全に除去することが難しいため、磨き残しが生じやすい環境が作られてしまいます。
その結果、虫歯菌や歯周病菌の温床となり、歯肉炎や歯周炎(歯周病)へと進行するリスクがあります。さらに、歯ぐきが下がると歯の根元が露出し、冷たいものがしみる知覚過敏を引き起こすこともあります。
滑舌・発音がしづらくなる
すきっ歯を放置すると、会話中の発音が不明瞭になり、滑舌が悪くなる可能性があります。歯と歯の間に隙間がある場合、発声時に口から息が漏れてしまい、特定の音が正しく出せなくなるためです。特に影響を受けやすいのは、舌先を歯の裏に当てて発音する音です。
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サ行(さ・し・す・せ・そ)
息が漏れやすく、「シャ」のような音になりやすいです。
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タ行(た・ち・つ・て・と)
同様に息が漏れることで、不明瞭な発音になることがあります。
このような発音のしづらさが続くと、相手に聞き返されることが増えたり、ご自身の会話に自信が持てなくなったりすることもあるでしょう。成長期のお子さまの場合は、発音の習得に影響を及ぼす可能性も考えられます。
噛み合わせに悪影響が出る
すきっ歯を放置すると、噛み合わせのバランスが崩れ、お口の中だけでなく全身にも悪影響が出ることがあります。歯と歯の間に隙間があることで、食べ物をしっかりと噛み砕くことが難しくなり、特定の歯にばかり負担がかかる場合があるためです。
これにより、歯が不自然にすり減ったり、歯並び全体のバランスが崩れてしまったりすることが考えられます。噛み合わせの乱れが引き起こす具体的な影響は、次のとおりです。
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特定の歯への過度な負担
一部の歯に強い力が集中し、歯が欠けたり、知覚過敏になったりするリスクが高まります。
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顎関節症(がくかんせつしょう)
噛み合わせの不調が原因で、顎の関節に痛みやカクカクといった音がする症状が現れることがあります。
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消化器系への負担
食べ物が十分に噛み砕かれないまま胃腸に送られるため、消化不良を引き起こす可能性があります。
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全身への影響
長期にわたる噛み合わせの乱れは、頭痛や肩こり、首の痛みなど、全身の健康状態にも影響を及ぼす場合があります。
すきっ歯の歯列矯正方法
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、すきっ歯の治療法として長年実績のある方法です。歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな装置をひとつずつ接着し、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かし、隙間を閉じていきます。
この治療の特長は、歯を動かす力を細かくコントロールできる点です。そのため、さまざまなタイプのすきっ歯や、複雑な歯並びの乱れにも柔軟に対応できます。
見た目が気になる方には、歯の裏側にブラケットを装着する「舌側矯正(リンガル矯正)」もあり、矯正装置が目立ちにくい選択肢もあります。
しかし、ワイヤー矯正には以下のデメリットも理解しておく必要があります。
- 装置が目立ちやすい
- 食事の際に食べ物が挟まりやすい
- 歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病のリスクが高まる
治療期間はすきっ歯の状態によって異なりますが、一般的に数カ月から数年かかることがあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かし、すきっ歯を改善していく方法です。この治療の大きな特長は、薄く透明なマウスピースを使用するため、装着していてもほとんど目立たない点です。
また、ご自身で取り外しができるため、食事や歯磨きの際にはマウスピースを外し、いつも通りに行えます。これにより、口腔内を清潔に保ちやすく、衛生的であることも大きなメリットです。
一方で、マウスピース矯正には以下のような注意点があります。
- 1日20時間以上の装着が推奨されており、患者さんご自身での厳密な自己管理が重要です。
- すべてのすきっ歯の症例に対応できるわけではなく、特に複雑な歯並びの改善には限界がある場合があります。
治療期間はワイヤー矯正と同様に、数ヶ月から数年と個人差があります。
セラミック治療
セラミック治療は、すきっ歯を比較的短期間で見た目良く改善できる審美治療の一つです。この方法では、すきっ歯になっている歯をわずかに削り、その上からセラミック製の詰め物や被せ物、またはラミネートベニアと呼ばれる薄い板を装着します。
セラミックは、天然の歯に近い色合いと透明感を再現できる素材のため、自然で美しい仕上がりが期待できます。
また、変色しにくいという特性も持ち合わせています。主なメリットは、歯列矯正のように歯を動かす必要がないため、治療期間を短くできる点です。しかし、以下のデメリットも理解しておく必要があります。
- 健康な歯を削る処置が必要です。
- 基本的に保険適用外となり、費用が高額になる傾向があります。
- 強い衝撃が加わると破損する可能性があります。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは、歯の色に合わせた特殊な樹脂(コンポジットレジン)を直接歯に盛り足し、すきっ歯を埋める治療法です。この方法は、歯を削る量が非常に少ない、あるいはほとんど削らずに治療できる点が大きな特長です。以下のメリットがあります。
- 比較的短期間で治療が完了します。
- 他の審美治療と比較して費用を抑えられる傾向があります。
- 天然の歯に自然になじむ色合いを選べるため、見た目の改善が期待できます。
一方で、デメリットとして以下の点が挙げられます。
- 樹脂の特性上、年月が経つと変色する可能性があります。
- セラミックよりも強度が劣るため、欠けたり割れたりするリスクがあります。
- 広すぎるすきっ歯や、噛み合わせの力が強くかかる部分には不向きな場合があります。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面をごくわずかに削り、セラミック製の薄いシェルを貼り付けてすきっ歯を改善する方法です。歯の形や色、大きさを同時に調整できるため、すきっ歯だけでなく、歯の変色や軽度の形状の不揃いも改善できます。
セラミックを用いるため、非常に美しく自然な見た目に仕上がり、コーヒーや紅茶などによる着色も起こりにくいです。歯列矯正と比較して、短い期間で治療が完了することもメリットです。しかし、以下のデメリットも理解しておくことが大切です。
- 健康な歯をわずかですが削る処置が必要です。
- 基本的に保険適用外となり、費用が高額になる傾向があります。
- 強い衝撃が加わると破損する可能性があります。
すきっ歯の歯列矯正にかかる
費用・期間

費用
すきっ歯の歯列矯正にかかる費用は、選ぶ治療方法によって大きく変わります。
歯科矯正治療は、病気やケガの治療とは異なり、見た目を改善する目的が大きいため、原則として保険診療の対象外となる「自由診療」です。
そのため、費用は全額自己負担となりますが、矯正治療の目的によっては、税金の控除が受けられる「医療費控除」の対象となる場合もあります。
主な治療方法ごとの費用目安は以下のとおりです。
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ワイヤー矯正
歯の表側に装置をつける一般的な方法で、費用は60万円から100万円程度です。
目立ちにくい透明なブラケットや、歯の裏側に装置を装着する裏側矯正(舌側矯正とも呼ばれます)を選ぶと、一般的な表側矯正よりも高度な技術が必要になるため、費用がさらに高くなる傾向があります。
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マウスピース矯正
透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かす方法で、費用は30万円から100万円程度と幅広いです。軽度のすきっ歯であれば、治療期間が短く、必要なマウスピースの枚数が少ないため、費用を抑えられる場合もあります。
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セラミック治療(被せ物)
歯を削り、セラミック製の被せ物をして隙間を埋める方法です。1本あたり10万円から20万円程度かかります。天然の歯に近い美しさを再現できるセラミックの費用が加わるため、複数本の歯を治療するとその分の費用が必要になります。
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ダイレクトボンディング
歯に直接レジンという歯科用プラスチックを接着して隙間を埋める方法で、1本あたり2万円から5万円程度と比較的手軽な費用帯です。しかし、プラスチック素材の特性上、広すぎる隙間や奥歯など噛む力が強くかかる部分の修復には限界があるため、適応範囲に限りがあります。
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ラミネートベニア
歯の表面を薄く削り、セラミック製の薄い板を貼り付けて隙間を解消する方法です。1本あたり10万円から20万円程度です。歯の表面をわずかに削り、セラミック製の薄いシェルを貼り付けるため、美しい見た目を追求すると費用が高くなります。
正確な費用を知るには、歯科医院で精密な検査と診断を受け、ご自身の口腔状態に合わせた具体的な治療計画と費用について説明を受けることが大切です。
期間
すきっ歯の歯列矯正にかかる治療期間は、費用と同様に、選ぶ治療方法やすきっ歯の程度で大きく変わります。
矯正治療は、歯を動かす「動的期間」と、動かした歯が元の位置に戻ろうとするのを防ぎ、その位置に安定させるための「保定期間」の二段階があります。
どちらの期間も、理想的な歯並びを維持するために重要です。主な治療方法ごとの期間目安は以下のとおりです。
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ワイヤー矯正
歯を動かす動的期間は1年から3年程度が目安です。歯並びが整った後も、歯が元の位置に戻らないように安定させるための保定期間が1年から3年ほど必要となります。保定期間には、リテーナーと呼ばれる取り外し式の装置などを装着します。
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マウスピース矯正
歯を動かす動的期間は数カ月から2年程度です。軽度のすきっ歯であれば、必要なマウスピースの枚数が少ないため、比較的短期間で治療が終わることもあります。治療後は、ワイヤー矯正と同様に1年から3年程度の保定期間が必要です。
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セラミック治療(被せ物)
歯を削ってセラミックの被せ物をするため、歯を動かす必要がありません。そのため、数回の通院で治療が完了し、他の矯正方法に比べて非常に短期間で見た目の改善が期待できます。
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ダイレクトボンディング
歯に直接プラスチック素材を接着するため、ほとんどの場合、1回の治療で完了します。短時間で隙間を埋められる点が大きなメリットです。
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ラミネートベニア
歯の表面をわずかに削り、薄いシェルを貼り付けるため、数回の通院で治療が完了します。セラミック治療と同様に、短期間で見た目を整えたい方に適しています。
歯を動かす矯正治療では、マウスピースの装着時間といった患者さんの協力度合いや、歯の動きやすさによって実際の治療期間が延びる可能性もあります。
治療計画を立てる際には、歯科医師から具体的な期間の目安と、期間を延ばさないための注意点をしっかり確認しておきましょう。
歯列矯正ですきっ歯の治療を
検討している方は、
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当院では、患者さん一人ひとりのご希望やライフスタイル、そしてお口の状態に深く耳を傾け、適切な治療プランを共に考えていくことを大切にしています。
これまでご紹介したワイヤー矯正やマウスピース矯正に加え、セラミック治療、ダイレクトボンディング、ラミネートベニアなど、幅広い治療方法をご提案できます。それぞれの治療には特徴があり、患者様の理想やお口の状態によって最適な方法は異なります。
私たちは、それぞれのメリット・デメリットを丁寧にご説明し、あなたにとって納得のいく選択肢を見つけるお手伝いをします。
治療にかかる期間や費用についても、事前に包み隠さず丁寧にご説明し、患者様が不安なく治療に臨めるよう、私たちスタッフ全員でしっかりと寄り添いサポートします。
すきっ歯が引き起こす見た目のお悩みだけでなく、放置することで生じる虫歯や歯周病のリスク、滑舌の悪さ、噛み合わせの不調など、お口全体の健康と機能性を考慮した治療を心がけています。
見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや将来の健康を見据えた、長期的に安定するお口作りをサポートしたいと考えています。
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