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虫歯治療

虫歯について

虫歯について

虫歯とは、歯面上のプラーク(歯垢)に潜む虫歯原因菌が、摂取した糖質から酸を産生し、その酸によって歯の硬組織が溶け出す(脱灰)疾患のことです。

虫歯の原因

虫歯の主な原因は、脱灰と再石灰化のサイクルが乱れることにあります。一口食べ物を口にした瞬間から、口腔内は酸性に傾き始め、最後の一口を飲み込むまでその状態が続きます。

ただし、酸性になれば常に歯が溶け続けるわけではありません。歯には酸に耐えられる限界の数値があり、これを「臨界pH(りんかいピーエイチ)」と呼びます。

具体的には、エナメル質はpH5.5以下、象牙質はpH6.3以下になると、歯の成分が溶け出す「脱灰」が始まります。

最後の一口を飲み込み、口の中から食べ物がなくなると、今度は唾液の力(緩衝能)によって、酸性に傾いた環境を中性(pH7.0付近)へと戻す「再石灰化」が始まります。この再石灰化には30~40分ほどの時間が必要です。

このサイクルを乱す代表例が「ダラダラ食い」です。食べる時間が長くなると、脱灰の時間が再石灰化を上回ってしまい、結果として虫歯へと進行してしまうのです。

虫歯になりやすい方の特徴

  1. 糖および糖に変化する飲食品を頻回に摂取している
  2. 睡眠1時間前に飲食品を摂取する
  3. 内服薬の副作用、口呼吸などで口腔内が乾燥している
  4. 歯ぎしりや食いしばりで歯に負担がかかっている
  5. 定期的に歯科受診されていない

削るタイミング・経過観察の
考え方について

削るタイミング・経過観察の考え方について

初期虫歯(C0)は表層の脱灰にとどまり、痛みや欠損はありません。エナメル質内の虫歯(C1)も、状態によっては経過観察が可能です。

対応の第一選択は、高濃度フッ素の塗布や食習慣の改善による再石灰化の促進(非侵襲的治療)です。しかし、病変が進行する場合や象牙質(C2)に達した場合は、進行速度が速くなるため、速やかに削って修復する治療へと移行します。

虫歯の進行度について

C1(初期虫歯)

特徴

歯の再表層である「エナメル質」の中に限局された虫歯です。神経がない層なので、痛みやしみるといった自覚症状は全くありません。溝が黒くなっていたり、表面に小さな穴(茶~黒色)が見えたりします。

治療内容

高濃度フッ素配合歯磨剤の使用や、糖および糖に変化する飲食品の摂取回数を減らし、また食後にキシリトール配合ガムを噛み唾液量を増やすことで口腔内が酸性でいる時間を短くします。

C1(初期虫歯)

痛みなし
初期の虫歯

C2(象牙質まで達した虫歯)

特徴

エナメル質を突き抜け、その下にある象牙質まで達した虫歯です。冷たいものがしみる、食べ物が詰まると痛むなど、常に痛いわけではなく、刺激があった時だけ痛みます。深さのある穴となり、茶色~黒色へ変色します。また内部の虫歯が暗い影のように透けて見えることがあります。

治療内容

感染した象牙質を削り取り、欠損の大きさに応じてレジン(プラスチック)を詰めたり、インレー(セラミックやプラスチック)を作製します。

C2(象牙質まで達した虫歯)

しみると
感じたら
要注意

C3(神経まで達した虫歯)

特徴

象牙質を完全に突き抜け、歯の神経(歯髄:しずい)まで達した虫歯です。最大の特徴は、何もしていなくてもズキズキと痛む「自発痛」です。

横になると頭に血がのぼり、歯の内部の圧力が高まるため、夜に激しく痛む夜間痛が起きます。また、心臓の鼓動に合わせて脈打つように痛む拍動痛も起きます。歯の大部分が崩壊し、大きな穴があき、穴に食べ物が入り込むことで、神経を直接圧迫して激痛が走ります。

また冷たいものだけでなく熱いもので激しく痛むようになります。

治療内容

炎症を起こした神経を取り除く抜髄をして、神経が入っていた部屋を綺麗に消毒して薬剤を詰め、全体を覆うかぶせ物(クラウン)を作製します。

C3(神経まで達した虫歯)

ズキズキ
神経まで
達した虫歯

C4(歯根だけが残った状態)

特徴

虫歯の末期段階で、専門的には残根と呼ばれます。歯の大部分が崩壊し、根だけが残っている虫歯です。C3の激痛がC4に達して、神経が完全に死んでしまうため、痛みを感じなくなります。

また死んだ神経の部屋を通って細菌が虫歯の先まで到達すると、根の先に膿の袋を作ります。歯の頭の部分がほとんどなく、歯茎のラインに根っこだけが見えます。歯ぐきに「サイナストラクト(膿の出口)と呼ばれるできものが出来ます。

治療内容

大部分は抜歯を選択されますが、条件によっては外科もしくは矯正を計画を取り込むことで保存できる可能性もあります。

C4(歯根だけが残った状態)

根だけ残る
歯の
末期段階

当院の虫歯治療の
強み・こだわり

当院の虫歯治療の強み・こだわり

当院では、歯の寿命を最大限に伸ばすためにMI(Minimal Intervention:最小限の侵襲)という考え方を大切にしています。

  1. 削る前にできること

    C1などの初期虫歯をすぐに削ることはありません。高濃度フッ素塗布による再石灰化の促進や、口腔環境の改善を優先します。

  2. 「なぜ、虫歯になったのか」の原因追及

    単に治すだけでなく、再発防止のために原因を深堀します。当院に在籍する管理栄養士による食生活のコンサルティングや、担当歯科衛生士による唾液検査を通じ、患者様お一人お一人に最適な予防プランをご提案します。

  3. 神経を残すことへのこだわり

    C2からC3の深い虫歯でも可能な限り神経を残すことを模索します。常に拡大ルーペを使用して、細部まで把握しながら虫歯を除去し、精度の高い詰め物・被せ物を提供いたします。

  4. 痛みに配慮した優しい治療

    治療時の痛みを最小限にするため、表面麻酔の使用や極細の注射針の採用など、細部まで徹底した配慮を欠かしません。

治療時の痛みを抑えるための技術的工夫について

当院では虫歯治療の痛みを最小限に抑えるため、麻酔の使用をご提案しています。その際、注射そのもののチクッとした痛みを和らげるため、あらかじめ歯肉に表面麻酔を施します。

また、使用する針は極力細いものを選択し、麻酔薬も体温に近い37℃に温めておくことで、注入時の温度差による刺激を緩和しています。患者様の痛みを少しでも減らせるよう、細部まで配慮した治療を心がけております。

二次カリエス(再発)を防ぐためのこだわり

再発を防ぐためには、「いかに隙間を作らないか」「いかに菌を入れないか」が不可欠です。

当院では治療の精度を上げるため、常に拡大ルーペを使用し、細部まで把握できる拡大視野下で処置を行っております。また虫歯染色液を用いて健全歯質を削りすぎず、かつ虫歯菌に侵された部分だけを確実に除去します。

さらに、詰め物・被せ物の治療では最新の強力な接着技術を取り入れ、光学印象(デジタルスキャナー)による精密な型取りも可能です。プラークがつきにくい自費診療の素材もご提案しており、多角的なアプローチで再発防止に努めています。

よくある質問

治療後に歯がしみるのはなぜですか?いつまで続きますか?
治療後にしみる原因は、多くの場合、削った刺激によって神経が一時的に過敏になっているためです。
  • 神経の過敏状態
    歯を削る際の振動や摩擦熱が刺激となり、一時的に知覚過敏のような状態になることがあります。
  • 金属の熱伝導
    銀歯などの金属は熱を伝えやすいため、冷たいものや暖かいものの刺激が直接神経に伝わります。
  • 神経との距離
    大きな虫歯を削った結果、神経までの距離が近くなり、外部の刺激が届きやすくなります。
  • 噛み合わせの負担
    詰め物の高さが合わず、特定の歯に負担がかかることで、痛みやしみる症状が出ることがあります。
  • 神経へのダメージ
    虫歯が深く、治療前から神経自体が深刻なダメージを受けていた場合も考えられます。
通常は数日から2~3週間ほどで、神経を守る壁(第二象牙質)が形成されるとともに、症状は徐々に落ち着いていきます。
虫歯治療は何回通えば終わりますか?
虫歯治療にかかる期間は、その進行度によって変わります。初期の虫歯なら1回で済みますが、神経まで到達している重度の場合は、根の治療や被せ物の作製が必要になるため、6回ほど通院していただくのが一般的です。
妊娠中でも虫歯治療は受けられますか?
妊娠中の虫歯治療は可能ですが、体調が安定している16週~27週の「妊娠中期(安定期)」に受診いただくのが最もおすすめです。
気になる胎児への影響ですが、歯科用の局所麻酔は使用量が非常に少なく、注射した部位で速やかに分解されます。レントゲン撮影に関しても、防護エプロンの着用により、自然界から浴びる被ばく量より低く抑えることが可能です。
またお薬が必要な際は、妊婦さんへの安全性も確認されているアセトアミノフェン系の鎮痛剤を処方いたします。
痛みがないのに虫歯と言われました。なぜですか?
痛みがないのに虫歯と言われると、疑問に思われるかもしれません。痛みがない状況として考えられることは、まだ神経まで到達していない早期虫歯であるか、あるいは逆に神経が既に死んでしまっている場合が考えられます。
痛みがないから健康であるとも限らないのです。むしろ、痛みがない早期に発見できたことは、大切な歯を失わずに済む絶好の機会とも言えます。